「米価高騰=流通悪玉論」は真っ赤な嘘だった!価格上昇の本当の原因とその構造

📑目次

  1. 背景|2024〜25年の米価高騰は何が原因?
  2. 流通“悪玉論”の主張とは
  3. 実態:価格高騰の本当の構造と需給の歪み
  4. JA(農協)は“犯人”か?実際の収益構造とは
  5. 政府対応と制度の問題点
  6. 今後必要な改革とは?
  7. まとめ|正しい理解こそが解決の鍵

📝本文

1. 背景|2024〜25年の米価高騰は何が原因?

2025年6月時点で、国内スーパーにおける米の小売価格は5kgあたり約4,260円(税込)と、前年から約100%の上昇を記録しました 。
これは供給量が減ったことだけでなく、流通構造の変化が価格を押し上げた結果です。

2. 流通“悪玉論”の主張とは

近年、米価高騰の原因として「コメを卸・問屋がため込んで価格操作」「JA農協が隠れて価格をつり上げている」といった“流通悪玉論”が広まりました 。
しかし、それらには科学的な根拠が乏しく、誤解や感情論に基づいている事例が多々見られます。

3. 実態:価格高騰の本当の構造と需給の歪み

また、「消えたコメ」は実際には存在せず、小規模業者の在庫はむしろ減少しており、農水省の在庫調査でも在庫の隠匿は確認されていません

生産量は微増していたにもかかわらず、集荷業者への出荷量は前年より▲31万トンも減少

生産者がJA経由ではなく他ルート(直販・小ロット高値取引)に流しているため、市場に安定供給が回らず、スポット市場での価格が急騰 → 結果的に卸売価格は60kgあたり45,000〜50,000円に達し、それがそのまま小売価格に転嫁されました 。

4. JA(農協)は“犯人”か?実際の収益構造とは

  • JAの集荷率はかつては4割程度ですが、現在はさらに減少し、利益が出ていない状況です 。
  • 市場価格が上がっても、農家への支払いは概算金による前払いであり、JAには利益がほとんど残らないケースが中心です 。
  • また、JA全中会長の「米の価格は決して高くない」といった発言も、農家視点での言葉であり、流通全体を悪者扱いする論理には無理があります

5. 政府対応と制度の問題点

  • 農水省は備蓄米放出や再供給を遅らせた結果、市場への供給は増えず、価格をわざわざ維持するための対応だったと指摘されています 。
  • 減反政策によって供給量を抑制し、政府備蓄を活用しながら価格維持を図る構造が問題であり、根本的な見直しが必要です

6. 今後必要な改革とは?

  • 先物市場の整備により価格を透明化し、適切な価格形成とヘッジ機能を構築すること。
  • 減反政策を廃止し、需要に応じた供給と価格安定を図る政策への転換が求められています 。
  • 農家への直接支払い制度(EU型)など、価格保証ではなく収入支援型の制度検討も必要です 。

7. まとめ|正しい理解こそが解決の鍵

コメ価格高騰の背後には、単なる流通業者の「隠匿操作」ではなく、構造的な需給の変化と流通の歪みがあります。
流通“悪玉論”に踊らされず、制度を改善し、透明かつフェアな市場メカニズムを構築することが、消費者にも生産者にも利益をもたらします。
今こそ、事実に基づいた議論と改革が必要なときです。

🔗参考文献・情報源

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